泌尿器科解体新書

第03回 意外に誤解が多い「膀胱炎」

   今日は膀胱炎についてお話しします。膀胱炎は泌尿器科の病気の中で一番多い病気のひとつですが、意外に誤解の多い病気でもあります。男性が「膀胱炎ではないでしょうか?」と病院を訪れることがありますが、そのほとんどは膀胱炎ではなく前立腺炎です。膀胱炎は女性の病気と言っていいくらい女性に特異的に多い病気です。

 しかし、あなた(女性)に膀胱炎のような症状があっても、それは必ずしも膀胱炎とは限りません。ここで言う〝膀胱炎〟(皆さんがイメージしているいわゆる膀胱炎)とは急性細菌性膀胱炎のことで、それは膀胱の中で菌が繁殖し膀胱の粘膜をただれさせている状態です。

 膀胱炎になりますと排尿痛・排尿後痛・頻尿・残尿感などの症状が急に現れ、泌尿器科外来の顕微鏡で尿検査をしますと白血球や血尿が見られます。ところが、同じような症状でも尿検査で白血球がなくきれいな尿である場合があります。この場合は急性細菌性膀胱炎ではなく別の病気を疑って診断をすすめる必要があります。

 特に、症状が慢性化しているような時にはその可能性が高くなります。たとえば神経因性膀胱という膀胱の機能異常や、間質性膀胱炎という特殊な膀胱の病気が背後にある可能性もあります。膀胱炎のようでも、治りにくかったり繰り返す場合には、専門医への相談が必要です。

泌尿器科診療と血液透析

泌尿器科診療では、特に前立腺肥大症の診断治療、女性尿失禁の診断と治療、投稿年の排尿障害の治療、血液検査、神経因性膀胱の治療、腎不全の治療、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌などの泌尿器科系癌の検診と治療コンサルタントなどに力を入れております。

血液透析は日中および夜間に行なっております。
すでに透析を導入されている患者さんでも、交通の便などから当院での透析治療を希望される方はご相談ください。