泌尿器科解体新書

第24回 神経因性膀胱について

 神経因性膀胱という病名はあまり聞きなれない言葉かもしれません。しかし排尿障害の原因を考えるときに、これを抜きには語れない病名です。

 神経因性膀胱とは神経の不調が原因で排尿に不具合を起こす状態です。膀胱や尿道を制御している神経は、脳→脊髄→末梢神経という経路を通るので、この途中のどこに障害が起きても神経因性膀胱は起こります。

 それでは何が原因で神経障害が起きるのでしょうか。その原因は様々です。たとえば、二分脊椎などの先天的な脊髄障害、事故による脊髄損傷、脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの変性性脳疾患、骨盤内のがん手術後の神経障害、糖尿病などの神経組織をも侵す全身性疾患、など様々な病気で神経因性膀胱は起こりえるのです。

 またこれらのはっきりとした原因が明らかではない、いわば原因不明の神経因性膀胱も多く、軽症例を含めれば原因不明例のほうが多い位です。ことに高齢者には多く、老化に伴い何らかの神経障害が生じてくるためと考えられます。

 それでは神経因性膀胱になるとどのような症状を起こしてくるのでしょうか? また治療法はあるのでしょうか? 

 これらについては次回お話しししたいと思います。

泌尿器科診療と血液透析

泌尿器科診療では、特に前立腺肥大症の診断治療、女性尿失禁の診断と治療、投稿年の排尿障害の治療、血液検査、神経因性膀胱の治療、腎不全の治療、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌などの泌尿器科系癌の検診と治療コンサルタントなどに力を入れております。

血液透析は日中および夜間に行なっております。
すでに透析を導入されている患者さんでも、交通の便などから当院での透析治療を希望される方はご相談ください。