泌尿器科解体新書

第25回 「神経因性膀胱」について 2

 前回は、神経因性膀胱とは〝神経の不調で起こる排尿の不具合〟の総称であることをお話ししました。この場合の〝神経〟とは膀胱や尿道の動きを支配する神経のことであり、精神や心理的な問題ではありません。

 さて、神経因性膀胱ではどのような症状が起こるのでしょうか? よく見られるものは、うまく排尿ができなくなることです。例えば〝以前は外出する前にトイレに行けば必ず出せたのに、今は尿意が高まっている時以外は出せない〟というような状態。これは随意的排尿の障害といいます。もう一つの症状は我慢すべき時に我慢できない状態、つまり自分の意志に反して尿が漏れそうになったり、実際に漏れたりする状態です。これを蓄尿障害といいます。

 多くのケースではこの2つ(随意排尿障害と蓄尿障害)が混在し〝出すべき時に出せないのに、我慢すべき時に漏れそうになる〟という健常時とはアベコベの状態になります。さらには、患者さんによってこれら2つのミックスの度合いが違うので、まったく出なくなるタイプから四六時中漏れるタイプまで、いろいろな形をとり得ます。

 さて、もし神経因性膀胱になったらどうすればいいのでしょうか。まずは専門医に詳しく診断してもらい、治療が必要なのか、どのような治療をすれば何が良くなるのか、などについてきいてみましょう。風邪薬などの副作用や便秘によって起こる一過性の神経因性膀胱もありますが、多くは慢性に経過する病気です。しっかりとした診断と適切な処置が必要です。

泌尿器科診療と血液透析

泌尿器科診療では、特に前立腺肥大症の診断治療、女性尿失禁の診断と治療、投稿年の排尿障害の治療、血液検査、神経因性膀胱の治療、腎不全の治療、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌などの泌尿器科系癌の検診と治療コンサルタントなどに力を入れております。

血液透析は日中および夜間に行なっております。
すでに透析を導入されている患者さんでも、交通の便などから当院での透析治療を希望される方はご相談ください。