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脳梗塞は脳の血管がつまる病気です。脳の血管がつまると片側半身麻痺(片麻痺)や言語障害などが起こりやすく、後遺症として残れば長く不自由な生活を強いられることになります。ご本人はもちろん、家族の方にとっても大変な病気といえます。
実は、片麻痺の陰に隠れてあまり知られていませんが、同じくらい高率におこる後遺症として、”神経因性膀胱”といわれる排尿障害があります。
どのような症状かというと、(1)尿を我慢したいのに我慢できない、また(2)排尿しようと思うのに出せないというものです。
正常な排尿は、我慢したいときに我慢がきき、用を足したいときに足す事ができる、という状態ですから、あべこべ、ということになります。また、これら2つの異常は患者さんごとにそのブレンドの割合が異なっているため、ひっきりなしに尿失禁が起きている患者さんから、尿がでなくて慢性尿閉となっている患者さんまで症状は実に様々です。
最も一般的なかたちは、急に尿意を催してトイレに行きますが、排尿は途中で中断し残尿を残すというパターンです。残尿量が多いほど、また膀胱の勝手な収縮が起きやすい患者さんほど、頻繁に尿意を感じて困ることになります。
単純化すると、(1)は膀胱の痙攣・(2)は膀胱の麻痺と言い換えることもできます。痙攣には良く効くお薬がありますが、麻痺にはあまり良く効く薬がありません。
したがって、(1)が高度で(2)が軽度の患者さんはお薬だけでもかなり改善しますが、(2)が高度な患者さんの治療は難しいといえます。
上記の”最も一般的な”患者さんの場合には、まず注意しながらお薬を使ってみるということになります。その辺の見極めや、お薬以外の治療の選択については、泌尿器科医の中でも、神経障害による排尿障害(神経因性膀胱)に詳しい一部の専門家(私もそのはしくれですが)の領域です。
患者さんに合わせたオーダーメイドの治療が必要だということになりますが、専門家に相談するというのは、患者さんにとって必ずしも簡単なことではないようです。というのは、多くの場合、患者さんもご家族も今の通院が精一杯であり、これ以上別の病院に通う余裕がないというのが実情だからです。多くの家庭は老老介護ですし、お子さんや介護保険の支援があるといっても必ずしも十分ではないのです。
この分野の診療体制にはまだまだ社会的・制度的な成熟が必要なようです。
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